6年程昔のこと・・・。
当時まだ幼かった息子2人を連れて電車で遠出したその帰りのこと。
その時、長男は4歳、私は生後数ヶ月の次男を抱いて電車に乗っていました。電車は込んでいたのですが、しばらくして席を譲ってくれた方がいたので、私は感謝して次男を抱いたまま席に座りました。
そのうち長男が「飴がほしい。」と言い出しました。ちょうどいくつか飴を持っていたので、それを長男に渡したところ、「この飴はほしくない。黒い飴がほしい!」と言うのです。最近黒飴をなめたことがあったので、その飴が気に入ったのでしょう。私は、「黒い飴はないから、この飴で我慢して。」と言いましたが、「いやだ。黒い飴がいい!」と言って全く聞かない長男。「黒い飴がほしい。黒い飴がほしい。」としばらく言っていました。
そのうちに、長男がなんだか静かになりました。ふと長男の手を見ると何か握り締めています。「何これ?」と、私は長男の手を開いてみると、何とそこには黒飴が!!びっくりしました。「どうしたのこれ?」と長男に聞くと。「おじさんがくれた。」と言うのです。「どの人?」と聞くと「分からない。」と答え、「ありがとうしたの?」と聞きましたが、たぶんしなかったのでしょう。
長男は私の目の前に立っていたのに、誰かが飴をくれたことに全然気がつきませんでした。偶然黒飴を持っていた人が長男にそっとあげたようです。結局誰がくれたのかわからず、お礼もできませんでしたが、とても感謝しています。
今でもあの時のことを思い出すと、心が温まります。
あの時黒飴をくれた方、ありがとうございます・・・。