目 次
プロローグ オレの名は
背後から空気を裂くような音が近づいてくる。
彼がとっさに樹の陰に身を寄せると、敵の投げた短刀が、カカカカッ、と幹に突き刺さった。 「そろそろ観念したらどうだ?」声がした。「鬼ごっこもそろそろ飽きてきたぜ」 肩で息をしながら、彼は腰の雑嚢を探った。クナイが一本と、煙玉がふたつ。 すかさず煙玉をとり出し、後手に敵にぶつける。 ボンッ、という破裂音につづき、敵が煙に巻かれた。 彼は樹の陰から飛び出し、クナイを握りしめ、煙のなかの影に挑みかかる。 ギンッ!、ギンッ! 刀身のぶつかり合う音が森に谺した。
ギンッ!、ギンッ! 「ぐあ!」 (P10より)
第一章 任務
第二章 スリーマンセル?
第三章 それぞれの戦い
第四章 この世の終わり
第五章 読めない心
エピローグ いつか、きっと
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