毒になる親 一生苦しむ子供



毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社プラスアルファ文庫)

毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社プラスアルファ文庫)

  目 次  

はじめに  
 「そりゃあ、子供のころ親父にはよくぶたれたけど、それは僕が間違った方向にいかないようにしつけるためだったんですよ。そのことと、僕の結婚が破綻はたんしたことが、いったいどう関係あるんですか」
 そう言ったのは、腕がいいことで評判の38歳になる整形外科医だった。彼は6年間一緒に暮らした妻に出ていかれ、私のところにカウンセリングを受けにきていた。なんとかして妻には戻ってほしいのだが、彼女のほうでは彼がかんしゃく持ちの性格をなおさないかぎり絶対に戻らないと言っているという。彼女は、彼が腹を立てると突然怒りを爆発させることにおびえ、しかも情け容赦もなくののしるのにはもう疲れきっていた。彼は自分がかんしゃく持ちで時として口やかましくなることはわかっているが、まさかそのために彼女が出ていくとは思わなかったという。(P3より)

「毒になる親」から受ける「ネガティブな力」を減らしていくには時間がかかる。けれどもあきらめずに一歩一歩進んでいくことによって、子供のころからずっと押し隠されていた本当の自分を解放し、内面に閉じ込められていた力をしだいに出すことができるようになってくるだろう。「毒になる親」の呪縛じゅばくから本来の自己を解き放ち、自分の人生を自分の手に取り戻してほしい。(P21より)
第一部 「毒になる親」とはどんな親か

第一章 「神様」のような親
"いい子"でいることの代償
事実を否定する力の強さ
「怒り」は向けるべき相手に向けなくてはならない
「死んだ人間の悪口を言ってはいけない」は常に正しいか
第二章 義務を果たさない親

子供はどのようにして周囲に適応していくか
楽しい子供時代を奪ってしまうもの
「共依存」の親子
子供は"透明人間"に
いなくなってしまう親
必要なものを与えられないために受ける傷
第三章 コントロールばかりする親
過剰なコントロールとは
コントロールの二種類
子供に起きる反応
アイデンティティーの分離ができない
第四章 アルコール中毒の親
リビングルームの恐竜
自己を喪失する子供
なぜ同じことばかりくり返すのか
"相棒"の関係
だれも信じられない
その時によって言うことが変わる親
"感心"な子供
周囲をコントロールしたがる
もう一方の親の果たしている役割
ハッピーエンドはない
第五章 残酷な言葉で傷つける親
残酷な言葉の持つ力
「お前のために言ってるんだ」という口実
子供と競おうとする親
侮辱で押される烙印らくいん
完全でないと許さない親
成功と反逆
呪縛となる親の言葉
親の言葉は"内面化"する
第六章 暴力を振るう親
体罰は犯罪である
なぜ彼らは子供に暴力を振るうのか
気まぐれな親の怒り
暴力の正当化
父(母)の暴力をとめない母(父)
「自分が何か悪いことをしたのだ」と感じる子供
「虐待」と「愛情」の不思議な結びつき
家の秘密を守ろうとする子供
心の十字路
「この親にしてこの子あり」は正しいか
第七章 性的な行為をする親
"近親相姦"とはどういうことか
近親相姦に関する誤解
一見"素晴らしい"一家に、なぜそのようなことが起きるのか
強要のさまざまな形
なぜ子供は黙っているのか
不潔感に悩む子供
押しやられる記憶
嘘の生活の代償
何も言わないもう片方の親
近親相姦(的行為)の残すもの
空しい希望
第八章 「毒になる親」はなぜこのような行動をするのか
親の「ものの考え方」
言葉で語られる考えと語られない考え
言葉で語られるルールと語られないルール
ききわけのいい子
親子の境界線の喪失
「家」のバランスを取る行動
「毒になる親」は、自分の危機にどう反応するか
第二部 「毒になる親」から人生を取り戻す道

第二部のはじめに

第九章 「毒になる親」を許す必要はない
許すことの落とし穴
第十章 「考え」と「感情」と「行動」のつながり
「考え(信条)」のチェック
間違った「考え」が引き起こす苦しみ
「感情」のチェック
「考え」と「感情」と「行動」の結びつき
「行動」のチェック
チェックリストへの反応
第十一章 自分は何者か―本当の自分になる
「反応」と「対応」の違い
自分を防衛するために相手を攻撃しない
自分をはっきりさせる
自分の意思で選択していることを確認する
親との会話で実行する
第十二章 「怒り」と「悲しみ」
自分にあったペースで
責任は親にある
親に悪意はなかったと思える場合
「怒り」の管理
「深い悲しみ」の処理
嘆き悲しむプロセス
人生は止まらない
「悲しみ」も止む時がくる
自分の責任を取る
第十三章 独立への道
「そんなことは無駄だ」という意見について
"対決"はなぜ必要か
"対決"はいつ行うべきか
"対決"の方法
 (1)手紙による方法
 (2)直接会って話す方法
どのような結果が予想されるか
話し合いが不可能な場合
ひとつの例
その後に起きること
その後どのような新しい関係が持てるか
ひとつの例
病気または年老いた親の場合
すでに死亡している親の場合
"対決"は必ず効果がある
第十四章 「毒になる親」にならないために
子供に心を開く
「自分の親のようにならない」という決意
子供に謝れる親になる
エピローグ もがく人生との決別

訳者あとがき

文庫版刊行にあたって

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